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広瀬明久

コンプライアンス被害

更新日:2022年1月30日

メキシコでビジネスをしていると、支払いの遅延は珍しいことではありません。


以前「メキシコ人のビジネスモラル」というタイトルでブログを書いた時、メキシコで支払いが遅れるのは、多かれ少なかれ「自社内のキャッシュフローを助けるとともに、相手を動揺させて交渉を有利にもっていくためのひとつの戦術である」といった認識があると書きました。


私たちの場合、スペイン語研修に携わっているので日系の会社が主な顧客ですが、日本人が会計の窓口である場合、支払いで問題が起こることはありません。ところが、メキシコ人とやりとりをする場合、なかなかスムーズにいかないケースがよくあります。言葉の問題というよりは、商習慣やメンタリティーの違いによるものと思われます。


つい最近も支払いの遅滞が発生し、メキシコ人担当者とやりとりをしても、のらりくらりとかわされてしまい、そんな時間の浪費がバカバカしくなってきて、最後の手段としてその会社の日本人社長に訴えました。すると以下の回答が戻ってきました。


「遅延の理由ですが、昨今のコンプライアンスルールの強化で管理を強くし過ぎている(厳しいルールを全てに適用している)点が挙げられます。今後遅延が生じないよう、お支払い先に応じて柔軟なルール運用をする事が社内の解決案になります」


会計を含め、全てのシステムが性悪説に基づいて作られているメキシコでは、会社が業者に支払いを行う時の条件を非常に厳しくしているようで、一律に扱われると、とてもきつく感じます。


支払いの遅延は、冒頭に掲げた理由に増して、コンプライアンスの強化によっても発生するのだということに気がつきました。


メキシコでも、一度条件をクリアして信頼関係が築ければ後は楽なのですが、そこに至るまでに苦労します。


思うように物事が進まない時は、外国でビジネスをさせてもらっていることに対して支払っている間接税のようなものと考えることにしていますが、心に余裕がないときは、やはりイライラしてしまいます。


精神的にもっと成熟したいものです。


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