私が経営する語学学校では、メキシコシティ近郊のクエルナバカ市で、スペイン語研修のための施設を有しています。
毎年、同市で営業許可の更新を行なっていますが、数年前、更新手続に市役所に行った際、市でゴミ条例が発布されたので、すべての法人はそのカテゴリーに応じて、毎月ゴミ特別回収費を負担しなければないと告げられました。私の学校では毎月3000ペソ(負担するように)とのことでした。
規則は守らなければならないものと考えている日本人なら、喜んでとは言えないまでも、決まったことだからしようがないと受け入れてしまっていたことでしょう。しかし、メキシコでの経験が長い私は、こんな時は簡単に認めてしまっては後で割りを食うのではと直感しました。
最初、市の側は、これはもう決まったことだからとの一点張りでしたが、しばらく押し問答を続けていくと、相手も少し折れてきて、「どうしても納得いかないのなら、民間の業者と契約して回収させてもいい、ただし契約書の写しを持ってくるように」と言ってきました。
そこで、10分の1程の金額でゴミの回収作業をする安い業者を見つけて、契約書の写しを市に提出しました。ところが、結局この回収業者は一回も回収には来ず、その後、市の無料回収車が何もなかったかのごとく、ごみの回収を続けています。
これはどういうことなのでしょうか? このゴミ条例に納得した法人があまりいなくて、条令が自然消滅? 紙に書かれた条例はまだ存在しているかもしれませんが、実際には適用されていません。
これは一つの例で、似たような経験はたくさあります。
ここで何が言いたいかと言うと、法律を軽視するようにと言っているのではもちろんありません。日本人とメキシコ人では、生きている世界の社会的な前提条件が違うということをお伝えしたいのです。
メキシコでは、仮に法律ができたとしても、これがどう適用されるか、適用する側もされる側も様子を伺っているようなところがあり、初めから絶対に守られるべき基準とは見られていません。
企業が合法的に活動を行なっていくために法を守ることは当然ですが、メキシコにおいては、新しい法律ができたからと言って過剰反応しすぎず、最初のうちは様子を伺っていた方が良さそうです。
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