メキシコ人を理解する –現地教育事情を通して− (1)

更新日:1月31日



以前メキシコシティで、あるメキシコのコンサルタント会社が開催する5S、QCサークルセミナーに参加させていただいたことがあります。


場所は一流ホテルの豪華な研修会場。ネクタイを締めた管理職と思われる方がたくさん参加され、少しでも多くを学ぼうと、皆さん真剣にセミナーを受けておられました。講師も参加者も熱心で、ワークショップセッションでは、工場の生産ラインをみたてた実技なども取り入れられ大変盛況でした。


はたから見ると、非常に活気のある素晴らしいセミナーでしたが、そのセミナーの感想はと言えば、率直に言って日本では小学校で教えられている単純な躾を、あたかも高尚な工場経営論に仕立て上げて語られているというものでした。


もとをたどってみれば、何のことはない、簡単な整理・整頓・清掃で、これがちゃんと身に付いている人は、そんなセミナーを受けなくても、ある程度のことは常識の範囲内でこなすことができるのではないかと思った次第です。


普通の日本人ならば子供の時に習う基本的な生活習慣を、メキシコでは大人になって高いコンサルタント料を払って学ぶのだと変に感心しました。メキシコ人に対しては失礼な言い方であることは承知していますが、これが率直な感想です。


メキシコはOECDやG20の一員であり、世界的にみて経済的にはそれなりの地位にあると言えます。その一方で、教育の質については、経済の発達に見合っていない部分が多分にあると思われます。


では実際にメキシコではどのような教育がされているのでしょうか。制度的には、小学校6年、中学校3年、高校3年、大学4年で、日本と変わりはありません。しかしながら、義務教育は幼稚園から高校までと日本より少し長くなっています。


幼稚園の義務化は2011年度からですが、これに伴い、幼稚園の授業にも教科書が導入されて大きな波紋を呼びました。小学校入学までに読み書き、計算がある程度できるようにということなのですが、これがメキシコという国の現状に合ったものかどうかについては、疑問の声もあります。



若干資料が古いのですが、小学校、中学校の就学率をみてみると、意外にも高いことがわかります。特に小学校の就学率は108%と理論上ありえない数字になっています。これは移民の子供の帰国などによって、母集団と就学者の間に食い違いが出るためだそうです。


学期は「3学期制」、就学年齢基準は「8月31日」。地域によって差はあるようですが、8月下旬が年度始めです。進級は意外に厳しく、小学校から落第制度があります。


また、公立学校においては、校舎数が足りないために同じ校舎で「午前の部」、「午後の部」に分けて生徒を受け入れている学校もあります。午前の部に通う生徒と午後の部に通う生徒は全く違う生徒です。


午前と午後で入れ替わるのは、生徒だけでなく教師陣も同様で、例えば同じ学校校舎が午前中はカルロス校長率いるA中学の生徒たちに利用され、午後はマリア校長率いるB中学の生徒たちに利用される、といった具合です。


▶︎次号に続く(驚くべき教育の実態を赤裸々に…)

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