メキシコ人を理解する –現地教育事情を通して− (1)

最終更新: 9月16日



以前、メキシコシティーであるメキシコのコンサルタント会社が開催する5S、QCサークルセミナーに参加させていただいた。


場所は一流ホテルの豪華な研修会場。ネクタイを締めた管理職と思われる方がたくさん参加され、少しでも多くを学ぼうと、皆さん真剣にセミナーを受けておられた。講師も参加者も熱心で、ワークショップセッションでは工場のラインをみたてた実技なども取り入れられ大変盛況だった。


はたから見ると、非常に活気のある素晴らしいセミナーだったが、そのセミナーの感想はと言えば、率直に言って日本では小学校で教えられている単純な躾を、あたかも高尚な工場経営論にしたてあげて語られているというものだった。


もとをたどってみれば何のことはない、簡単な整理・整頓・清掃で、これがちゃんと身についている人は、そんなセミナーを受けなくてもある程度のことは常識の範囲内でこなすことができるのではないかと思った次第だ。


普通の日本人なら子供の時に習う基本的な生活習慣をメキシコでは、大人になって高いコンサルタント料を払って学ぶのだと変に感心した。メキシコ人に対しては失礼な言い方であることは承知しているが、これが率直な感想。


メキシコはOECDやG20の一員であり、世界的にみて経済的にはそれなりの地位にある。一方、教育の質については経済の発達に見合っていない部分が多分にあると思われる。

では実際メキシコではどのような教育がされているのか。制度的には、小学校6年、中学校3年、高校3年、大学4年で日本と変わりない。しかし義務教育は幼稚園から高校までと日本より長い。


幼稚園の義務化は2011年度からだが、これに伴い幼稚園の授業に教科書が導入され、これは大きな波紋を呼んだ。小学校入学までに読み書き、計算がある程度できるようにということなのだが、これがメキシコという国の現状にあったものかどうかには疑問の声もある。



若干資料が古いが、小学校、中学校の就学率をみてみると以外に高い。特に小学校の就学率は108%と理論上ありえない数字になってる。これは移民の子供の帰国などによって、母集団と就学者の間に食い違いがでるためだそうだ。


学期は3学期制、就学年齢基準は8月31日。地域によって差はあるようだが8月下旬が年度始め。進級は意外に厳しく小学校から落第制度がある。


また公立学校においては校舎数が足りないため、同じ校舎で午前の部、午後の部に分けて生徒を受け入れている学校もある。午前の部に通う生徒と午後の部に通う生徒は全く違う生徒である。


また午前と午後で入れ替わるのは、生徒だけでなく、教師陣も同様で、例えば同じ学校校舎が午前中はカルロス校長率いるA中学の生徒たちに利用され、午後はマリア校長率いるB中学の生徒たちに利用されるといった具合だ。


次号に続く(驚くべき教育の実態を赤裸々に)

© 2018 by Sociedad Intercultural, S.C.