ワンランク上のスペイン語 #11 相手に改善を求める
- 広瀬明久
- 7月8日
- 読了時間: 6分
ビジネスでは、相手の仕事ぶりについて単にフィードバックを伝えるだけでなく、具体的な改善を求めなければならない場面があります。
たとえば、報告の遅れ、確認不足、同じミスの繰り返し、顧客対応の不備など、放置すると業務全体に影響が出る場合です。
大切なのは、感情的に責めることではなく、何が問題なのか、なぜ改善が必要なのか、そして今後どうしてほしいのかを、冷静かつ明確に伝えることです。
スペイン語圏でも国によって違いはありますが、特にメキシコでは、人前で相手を厳しく注意したり、面子を傷つけたりすることは好まれません。そのため、改善を求める際は、個別に落ち着いたトーンで話すことが基本です。
たとえば、
Tienes que mejorar.
(あなたは改善しなければなりません。)
Esto no puede seguir así.
(このままでは困ります。)
という言い方は、直接的すぎてネガティブな印象を与えることがあります。
その代わりに、次のような表現の方がビジネスでは使いやすいでしょう。
Me gustaría que revisáramos cómo podemos mejorar este punto.
(この点をどのように改善できるか、一緒に確認したいと思います。)
Creo que hay margen de mejora en este proceso.
(このプロセスには改善の余地があると思います。)
Para evitar que esto vuelva a ocurrir, necesitamos hacer algunos cambios.
(同じことが再発しないように、いくつか変更する必要があります。)
ポイントは、相手個人ではなく、仕事の進め方やプロセスに焦点を当てることです。

改善点を具体的に伝える
「もっと気を付けてください」だけでは、相手は何を変えればよいのか分かりません。
Necesitamos que los reportes se entreguen antes de las 10 de la mañana.
(レポートは午前10時前にに提出していただく必要があります。)
Te pediría que confirmes la información antes de enviarla al cliente.
(顧客に送る前に、情報を確認していただきたいです。)
Sería mejor que nos avisaran con anticipación si hay algún retraso.
(遅れがある場合は、事前に知らせていただけると助かります。)
「何を」「いつまでに」「どのように」を明確にすると、相手も行動に移しやすくなります。
命令ではなく協力の形にする
ここが重要です。命令形を多用すると、相手が防御的になり、本来の目的である「改善」から意識が離れてしまうことがあります。改善を求める際は、「一緒に解決する」「協力して進める」という姿勢を示すことで、相手も前向きに受け止めやすくなります。
¿Podrías apoyarnos revisando este punto con más detalle?
(この点をもう少し詳しく確認していただけますか。)
¿Podemos buscar una forma de evitar este tipo de errores?
(このようなミスを防ぐ方法を一緒に検討できませんでしょうか。)
Me gustaría contar con tu apoyo para mejorar este proceso.
(このプロセスを改善するために、あなたの協力をお願いしたいです。)
¿Nos puedes apoyar con la revisión de este documento?
(この書類の確認にご協力いただけますか。)
Agradeceríamos mucho tu apoyo para resolver esta situación.
(この問題を解決するため、ご協力いただけると大変助かります。)
Con tu apoyo podremos evitar que este problema vuelva a ocurrir.
(あなたのご協力があれば、この問題の再発を防ぐことができます。)
メキシコでは、協力を依頼する場合、apoyar(協力する、サポートする)や apoyo(協力、サポート)という言葉が、社内外を問わずビジネスの場で非常によく使われます。
¿Me apoyas con esto?(これを手伝ってもらえますか。)や ¿Nos puedes apoyar con la revisión?(確認に協力していただけますか。)のような表現は、会議やメール、日常業務で頻繁に耳にします。
メキシコでよく使われる伝え方
改善を求める際も、いきなり相手のミスや問題点を指摘するのではなく、まず柔らかく話を切り出します。
Quisiera revisar contigo un punto.
(一点、一緒に確認したいことがあります。)
Hay algunos detalles que necesitamos ajustar.
(調整が必要な細かい点がいくつかあります。)
Hay que poner más atención en este aspecto.
(この点には、もう少し注意を払う必要があります。)
Tenemos que prestar más atención a estos detalles.
(こうした細かい点にもっと気を配る必要があります。
特に poner atención (やや口語的)や prestar atención (フォーマル)は、非常によく使われる表現です。「気をつける」「注意を払う」「もう少し意識する」といったニュアンスで、相手を責めずに改善を促すことができます。
一方、cuidar もよく使われる動詞です。「気を配る」という意味でも使われますが、ビジネスでは「大切に維持する」「良い状態を保つように配慮する」という意味合いが強くなります。
Debemos cuidar la imagen de la empresa.
(会社のイメージを大切にしなければなりません。)
Hay que cuidar la calidad del servicio.
(サービスの品質を維持する必要があります。)
またmejorarもビジネスでは頻繁に使われます。「改善する」という意味ですが、相手に改善を求める場面では、相手を責めるのではなく、Cómo podemos mejorar...?(どうすれば改善できるでしょうか。)のように、「一緒に改善していく」という姿勢を示す表現が好まれる傾向があります。
このように、メキシコでは相手に改善を求める際も、「間違いを指摘する」というより、「一緒に見直す」「もう少し注意を払う」「必要な調整を行う」といった伝え方をすることで、より建設的で受け入れられやすいコミュニケーションになります。
少し厳しく伝える場合
同じミスが繰り返され、顧客や納期に影響が出ている場合には、より明確に伝える必要があります。
Esta situación ya se ha repetido varias veces.
(この状況はすでに何度か繰り返されています。)
Necesitamos ver una mejora concreta en este punto.
(この点について具体的な改善が必要です。)
No podemos seguir trabajando de esta manera.
(このやり方を続けることはできません。)
ただし、厳しく伝える場合でも理由を添えることが大切です。
Si no corregimos esto, podría afectar la confianza del cliente.
(これを修正しないと、顧客の信頼に影響する可能性があります。)
Esto está generando retrasos en el equipo.
(これにより、チーム内で遅れが生じています。)
改善を求める時の基本パターン
改善を求める際は、次の流れで伝えると自然です。
話し合いの姿勢を示す。
Quisiera revisar contigo un punto importante.
(重要な点について、一緒に確認したいことがあります。)
事実を伝える。
Hemos notado que los reportes se han entregado con retraso.
(報告書の提出が遅れていることに気づきました。)
影響を説明する。
Esto está afectando el avance del equipo.
(これがチーム全体の進捗に影響を及ぼしています。 )
今後の改善を求める。
A partir de ahora, necesitamos que se entreguen antes de las 10 de la mañana.
(今後は、午前10時までに提出していただく必要があります。)
異文化理解の視点
日本でも伝え方への配慮は大切ですが、メキシコでは「何を言うか」だけでなく、「どう伝えるか」がより重視されます。「あなたが悪い」と伝えるのではなく、「この業務をより良く進めるために、この点を調整したい」という具体的な形で伝える方が、相手にも受け入れられやすくなります。
スペイン語で改善を求める際は、厳しい言葉を使うことよりも、事実・影響・期待する行動を明確に伝えることが大切です。相手の面子を保ちながらも、必要なことは曖昧にしない。そのバランスこそが、信頼関係を築きながら仕事を進めるための、ワンランク上のビジネススペイン語と言えるでしょう。
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