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広瀬明久

ワンランク上のスペイン語 #3  異論を唱える、上手に断る

更新日:9 時間前


ビジネスの現場では、意見の相違を表明したり、提案を断る場面が少なくありません。

 

スペイン語圏では、オープンなコミュニケーションが一般的で、異論を唱えること自体はネガティブに捉えられません。しかし、メキシコや他の中南米諸国では、直接的に「ノー」と言うことを避ける傾向も見られます。

 

今回は、実際のビジネスシーンで使える表現を文化的背景とともに紹介します。



Con todo respeto, creo que no es la mejor opción.

失礼ながら、それは最善の選択ではないと思います。)con todo respetoは敬意を持って異議を唱える場合によく使われる表現です。ただし、場合によっては「皮肉」や「これから失礼なことを言う」という前置きとして使われることもあり、特に強い意見や異論を述べる際に使われます。これと似た表現にcon debido respetoがありますが、こちらはより形式的で控えめな敬意を表す表現です。公式な場面や、相手との関係を慎重に扱いたい場合に適してています。例えばCon debido respeto, me gustaría sugerir una alternativa a este plan.(敬意を持って申し上げますが、この計画に代わる案を提案したいと思います)のように使われます。

 

Entiendo perfectamente su punto de vista, sin embargo...

(あなたのご意見はよく理解していますが…)

相手の意見を受け入れる姿勢を見せることが重要です。このフレーズは相手の立場を尊重しつつも、自分の意見を提示する際に役立ちます。

 

Comprendo sus preocupaciones, pero...

ご心配は理解しますが…)

相手の懸念を理解していることを示しつつ、異なる意見を伝える丁寧な言い回しです。相手の気持ちに寄り添いつつ、自分の立場を示すことができます。

 

No estoy completamente de acuerdo con su opinión.

あなたのご意見に完全には賛同できません。)

反対の意思を示す際に、直接的な表現を避けつつ相手に敬意を払ったフレーズです。No estoy del todo de acuerdo con su opiniónと言い換えても、同様にやわらかく聞こえます。

 

Lamento tener que decir esto, pero...

このように言わざるを得ず申し訳ありませんが…)

非常に丁寧な表現であり、相手に対して否定的な回答を伝える際に使われます。断る際に相手を不快にさせないために、このようなクッションフレーズが役立ちます。

 

Lo siento, pero no puedo comprometerme en este momento.

申し訳ありませんが、現時点ではお約束できません。)

何かに対して責任を負うのを避けたいときに使うフレーズです。特にリソースや時間が限られている場合に便利です。「約束する」という意味の言葉はComprometerseの他にprometerもありますが、こちらはどちらかというと、個人的な約束や、真剣に何かを誓う際に使われます。一方、Comprometerseは「責任を負う」「コミットする」という意味合いが強く、ビジネスの場でよく使われます。

 

Le agradezco mucho la oferta, pero lamentablemente no me es posible aceptarla.

(ご提案に感謝いたしますが、残念ながらお受けすることはできません。)

相手の提案に対して感謝の気持ちを示しつつ、きっぱりと断る際に使える表現です。このフレーズを使うことで、相手との関係を保ちつつ、断ることができます。

 

文化的背景

 

冒頭でも述べた通り、スペイン語圏では、意見をオープンに表現する姿勢が一般的ですが、同時にメキシコや他の中南米諸国では、日本と同様に相手との関係を重視し、対立を避ける傾向があります。対話を通じて問題解決を図る姿勢が重要視され、直接的な「ノー」は避けられることが多いのです。

 

このような背景から、これらの国のビジネスシーンでは、直接的に拒否することを避けつつ、自分の意見をしっかりと伝えることが求められます。本記事で紹介したフレーズは、敬意を保ちながらも円滑なコミュニケーションを図るためのツールです。

 

ビジネスパートナーとの関係を損なわないためにも、相手の立場を尊重しながら断る表現が重要です。適切な言葉選びは、単に意見を伝えるだけでなく、相手に良い印象を与えることも可能です。

 

ぜひ、これらのフレーズを実際のビジネスシーンで活用し、相手との信頼関係を深めながら成果を上げてください。文化の違いを理解し、適切な表現を選ぶことが、より良いビジネス関係を築くための第一歩です。

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