創業ストーリー

あらたな可能性を求めてあらたな世界へ、

語学はそのきっかけをつくってくれた。

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はじめまして、ソシエダ・インテルクルトゥラル創業者の広瀬と申します。

 

私は日本で普通に生まれ育ちましたが、現在海外で事業を営んでいます。事業の中心はビジネスパーソンを対象としたスペイン語教育です。しかし1996年の創業当初は今とは少し違っていました。

 

この記事では創業以前にまで遡り、弊社がどのような過程を経ていまの形に落ち着いたかをご紹介します。

 

それではまいります。

          目次

  1. 創業前

  2. ​いざ創業

  3. シカゴでの挑戦

  4. 効果的なスペイン語プログラムの模索

  5. 現在

1. 創業前 

 

東京の某区役所で公務員として働き始めたのは1986年。ごく普通のサラリーマンで当時は外国で事業を起すことになろうとは夢にも思っていませんでした。

 

そもそも公務員になったこと自体、大学卒業時にこれといってやりたいことも見つからず、とりあえず安定していて比較的楽と言われていた公務員になって様子を見てやろうという程度のもの。

 

ところがその後スペインである人物と出会ったことから人生に180度の転機が。

 

その人物とは土井義篤氏。日西文化協会TORA(Asociación Cultural Hiapano Japonesa TORA)というマドリードを本拠とする文化団体の創立者で、当時は武道(主に空手)、日本語、算盤など日本文化の普及に尽力されていました。

 

スペインに旅行で訪れた際、ある知人の紹介で友人とともに同氏の協会(写真)に伺うことに。

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相当な人物であると聞いていたので、恐る恐るその施設に足を踏み入れました。

 

実際にお会いしてみると、権威ぶったところはなく、ユーモアがありとても親しみやすい感じ、同時にちょっと謎めいたところもある印象。

 

20代中半の若造を相手に夢を熱く語っていただき、私は徐々に、しかし確実にその世界に引き込まれていきました。

 

この人こそ自分が進むべき道の途方もなく先を行っている人だ!

それまでに感じたことのないトキメキ、ワクワク感が湧いてきました。自分もいつかは海外で・・・

そこでまず始めたのは、スペイン語の学習。英語でなくそれまでも少し縁のあったスペイン語。

 

勉強は役所の仕事の合間に時間をやりくりしつつ。しかし夢に近づけるという感覚から集中的に取り組むことができました。

 

スペイン語を始めてから2年経った頃、某大手自動車製造メーカーがメキシコでスペイン語通訳を募集しているという広告が目に飛び込んできました。

 

当時銀座にあった本社に筆記試験と面接を受けに行き、結果、運良く合格。(中学から10年間勉強してもたいしたレベルに至らなかった英語はなんだったのだろう?)

 

海外における着地点としては申し分ないと考え、すぐにメキシコ行きを決定。

 

役所を辞めて海外に出るということは、はたから見ると一大決心。しかしなぜかその時は目に見えない大きな力が働いて、スッとメキシコに来てしまったという感じでした。

 

時は1991年、日本ではジャパン・アズ・ナンバーワンのムードが色濃く残る時代。

 

メキシコで最初の数年は会社専属の通訳として生計を立て、同時にメキシコについて学びました。そしてメキシコ5年目、1996年にソシエダ・インテルクルトゥラル(Sociedad Intercultural, S.C.)を立ち上げました。

2. いざ創業

 

会社を立ち上げたものの、あったものはやる気と数人の仲間だけ。アパートの一室から結婚して間もないメキシコ人の妻と活動をスタート。

それまでは自分の意思で海外に出たとは言え、日系の会社にいたのである意味メキシコ社会からは隔離されていて守られた世界。しかしこれからは全て自分の責任で道を切り開いていかなければならない。

メキシコで何の後ろ盾もなく自分の力だけでやっていくにはまだわからないことが多かったため、パートナーがメキシコ人であったことは大きな助けでした。

当時はスペイン語レッスンの他、日本やメキシコを理解するための政治、経済、文化に関する講演会やその他イベントも頻繁に開催していました。

イベントでは毎回100〜200名程度集め、まずまずのすべり出し。悪くなかったのですが、ずっと続けていくだけの情熱が保てるかどうかは少し疑問でした。

 

やはり精魂を傾けることができるものがあるとすれば、それは自分に新たな可能性を与えてくれ、あらたな世界に導いてくれたスペイン語ではないか。

 

− スペイン語を学ぶ過程で感じたトキメキ、ワクワク感を多くの人と共有したい −

 

そんな思いが強くなり、事業の中心はスペイン語教育となっていきました。

レッスンの形態については、それまでの経験から個人レッスンの方がグループレッスンよりも圧倒的に効率的であると感じていたので、個人レッスン中心で行いくことにしました。当時の学校としてはあまりないスタイル。

 

当初受講生の国籍はさまざまで、対象は今のようにビジネスパーソンに特化していませんでした。

 

広い層を対象に授業を実施して気づいたことは、受講生の中で最もモチベーションが高く、コンスタントに受講してくれるのは国籍を問わずビジネスパーソンであること。

旅行者や学生とはとは異なるニーズがあり、求めている成果も違う。

 

そのようなわけで時とともにとスペイン語の授業内容、教材、教授法はビジネスパーソンを対象としたものにシフトしていきました。

 

弊校でもそれまでは旅行者、学生向けのスペイン語学校がオーガナイズするようなエクスカーション、ゲームを交えた授業など企画し、それなりに取り入れていました。

 

しかし時間効率を重視するビジネスパーソンにこのような活動には無駄が多いと判断。サービスの中からエンターテイメント的な要素は全てカットして、独自路線をとることに。

 

2001年には財団法人(当時)日本スペイン協会の委託により文部科学省認定スペイン語技能検定をメキシコ会場にて開始。

 

この検定試験は以降、春季と秋季の年2回開催し毎回50名〜100名の受験者がメキシコ全国から時には周辺諸国から集まっています。海外の会場としては最大規模になりました。

3. シカゴでの挑戦

 

スペイン語のレッスンの対象をビジネスパーソン中心へと舵を切りましたが、さらに対象が日本人に絞られるようになったには理由があります。

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それなりに受講生の数も増えてきた頃、もっと活動の場を広げたいと考え始めていました。そのような折シカゴで小さなスクール施設を有しているアメリカ人の友人に相談したところ快く協力を申し出てくれました。

 

早速、同地でスペイン語講師の養成(写真)を行った後、スペイン語レッスンを開始。時は2011年。

 

「これでメキシコに続きアメリカに進出だ!」と意気揚揚。

宣伝の効果もありぽつりぽつりとアメリカ人と日本人の受講生が集まり、まずまずのスタートを切ることに。

 

ところが、間もなくアメリカ人と日本人学習スタイルに大きな違いがあるという問題に直面しました。

 

日本人は基本から一歩、一歩積み上げていくという学習スタイルの方が多いのに対し、アメリカ人は明日からでもすぐに使えるスペイン語を身につけたいという人が大半。

 

私にとって想定外だったことは、アメリカ、特にシカゴのような大都会ではスペイン語人口が多く、スペイン語は事実上の第二公用語であること。当時統計上はシカゴのスペイン語話者は人口の25%でしたが、実際はその倍、つまり人口の半分近くがスペイン語話者だったのです。

 

アメリカ人にとってスペイン語は日常よく耳にする言葉。日本人が外国語を学ぶ感覚とはとても異なり、アメリカ人を相手にするには教材、教授法も別のものを用意しなければならないことを実感しました。

 

一方、日本人駐在員については順調に授業が行われていました。

 

その後、パートナー側の事情などによりシカゴでのスペイン語レッスンは中止することになりましたが、同地での経験はその後の展開の大きな教訓となりました。

4. 効果的なスペイン語教育プログラムの模索

 

以上のような経緯から弊校のスペイン語レッスンの対象が日本人駐在員に絞られてきました。

 

対象が絞られると、絞られた対象にいかに効果的な授業を行うか、適切な教材を用意するかが課題に。

 

しかし、どのような人を対象にするにせよ、スペイン語には共通する基礎があり、基礎を無視していきなりビジネスレベルに辿り着くことはできません。

 

プログラムに関する検討と実践を繰り返す中、平均的な駐在員でスペイン語の初心者の場合、ビジネスレベルに至るには基礎学習を含め300時間が必要ということがわかりました。

 

ところが、会社に勤務をしながら授業を受けていただくとすると300時間を消化するために2年ほどかかってしまう計算でした。任期の半分が過ぎてしまします。

 

なんとかもっと短い期間で基礎を固めつつビジネスレベルのスペイン語に達する方法なないかと検討した結果、思い切って研修期間中は会社を休んでもらいスペイン語に専念していただいたらどうかというアイディアが浮かんできました。これなら3ヶ月で終了できます。

 

さらに、3ヶ月間スペイン語に専念できるのなら、いっそうのこと完全にスペイン語漬けにしてしまってはどうだろうという考えから生まれたのがカンヅメコースです。

学習に没頭できる環境にふさわしいクエルナバカ市(メキシコシティーから車で1.5時間ほど南下した「常春のまち」として知られる避寒地)に施設(写真)を確保し、受講生にはにホームステイしていただくことにしました。

ホームステイではメキシコ人ホストファミリーと生活をすることになっていたので、コースを受講するのは若い方だけだろうと当初予想していました。

 

しかし、ふたを開けてみると意外にも支社長クラスの40代、50代の方が多く、何十年かぶりに学生気分を味わっていただくことに。

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その後、クエルナバカ市のあるモレーロス州の治安の悪化とそれに続くコロナ禍によりこのカンヅメコースは休止となりましたが、条件が整えばこのような体験のできるコースはいずれ復活させたいと考えています。

5. 現在

 

このようなわけで、現在ではビジネスパーソンを主な対象にスペイン語教育サービスを展開しています。

 

近年ではメキシコのバヒオ地区への日系企業進出が盛んになったため、その主要都市の一つであるケレタロでも対面のスペイン語レッスンを始めました。

 

さらに新型コロナの影響でオンラインレッスンの需要も高まってきました。オンラインの良いところは場所に縛られず受講が可能なところですが、対面レッスンの人気も根強く当面は両方の形式で対応してゆきます。

 

今後も世の中の変化に適応しつつ、より良いサービスを提供すべく改善を続けてまいります。

​広瀬 明久