「何時間レッスンを受けたらスペイン語が話せるようになりますか」
このような質問をよくいただきます。
これからスペイン語の学習を始める方にとっては、とても関心のあるテーマだと思います。
そこで、このブログでは、以下の4つのポイントに分けて、幣校の見解をお伝えできたらと思います。
目 次
1)外国語習得の難易度
2)5つの学習過程
3)日本人がスペイン語を習得する場合
4)個人レッスンでは時間の大幅短縮が可能に
1)外国語習得の難易度
外交官を養成する米国の国務省機関FSI(Foreign Service Institute)は、外国語の習得難易度を以下のようにグループ分けしています。
カテゴリー I :やさしい言語
フランス語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語など
▶︎習得に必要な時間:575〜600時間
カテゴリー II:少し難しい言語
ドイツ語、ギリシャ語など
▶︎習得に必要な時間:750時間
カテゴリー III:難しい言語
ロシア語、スワヒリ語など
▶︎習得に必要な時間 900時間
カテゴリー IV:非常に難しい言語
日本語、中国語、アラビア語など
▶︎習得に必要な時間:2200時間
ただし、この分類は「英語を母国語とする人の場合」です。
日本人がスペイン語を習得する場合の難易度については後述したいと思います。
また、FSIによると、外国語の学習過程については次の5つのレベルがあるとしています。
2)5つの学習過程
レベル1(初級レベル)
基本的なセンテンスを組み立て、簡単な受け答えができる。
レベル2(初級ビジネスレベル)
日常会話ができ、限られた範囲でビジネスに関するやり取りができる。
レベル3(中級ビジネスレベル)
ビジネス会議、顧客対応など多くのビジネスシーンで対応できる。
レベル4(上級ビジネスレベル)
ビジネスにおいても、日常においても高度な議論ができる。
レベル5(ネイティブレベル)
ネイティブと同等の会話力を持つ。
F S Iでは、カテゴリーIのやさしい言語(フランス語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語など)で、レベル2の初級ビジネスレベルに至るまでに平均480時間、カテゴリーI I〜I Vの難しい言語(日本語、中国語、アラビア語など)で同様のレベルに至るには、平均720時間かかったとの結果を出しています。
3)日本人がスペイン語を習得する場合
では、日本人の場合、スペイン語はどの程度の難易度で、習得にどれくらい時間が必要なのでしょうか。
まず難易度ですが、文法面では時制や動詞の活用形が英語よりも数多く存在するものの、母音数は日本語と同じく5つです。発音の仕方がはっきりしていて聞き取りやすく、大半の単語をローマ字(アルファベット)で書くことができるなど比較的親しみやすいことから、上の表の「II 少し難しい言語」に該当しそうです。
これをF S Iの結果に当てはめるなら、日本人がレベル2の初級ビジネスレベルのスペイン語を習得するには720時間程度かかるという計算になります。
ただし、留意点としては、FSIのデータの対象は米国国務省の職員ということで、優秀な方達ばかりであり、すでに複数の外国語の知識を得ているケースが多い、ということです。吸収力という点では、大半が40代の方なので、若い世代と比べたら多少劣るかもしれません。
また、FSIでは、数人構成のグループレッスンが週25時間行われていますが、別途1日3〜4時間の自習が課されています。同機関が想定している習得に必要な時間数には、この自習時間は含まれていません。
4)個人レッスンでは大幅な時間短縮が可能に
語学の習得に必要な時間は、それまでの(他の)外国語の習得状況や学習環境、集中の度合いによって、それぞれ異なります。
国際的に活躍する日本人ビジネスパーソンの場合、資質としては米国国務省のデータの条件に大体当てはまるのではないかと思われます。
よって、同じ条件で学習すれば、720時間の受講+504時間(720×3.5/25時間)の自習、すなわち計1,224時間で、初級ビジネススペイン語のレベルには到達できると言えそうです。
ただし、この計算値は、弊校がこれまで25年間にわたり日本人駐在員を対象にスペイン語教育に携わってきた中で得た結果とは少し異なります。
もちろん個人差はありますが、個人レッスンの場合、受講生の多くが400時間程度のレッスンと300時間程度の自習の計700時間程度でスペイン語初級ビジネスレベルに達しています(3〜4ヶ月の集中コースにて)。
この時点ではビジネス現場での実践が伴っていないため流暢さに欠ける場合がありますが、メキシコでビジネスを展開していく上での基礎力は十分に身に付いていると言えます。
短時間の学習でこのレベルに到達することができるのは、グループレッスンでなく、より効率的な個人レッスン中心であることが大きいと思われます。
また、弊校の場合、受講生はメキシコのスペイン語環境で学習し、さらのその環境でスペイン語を吸収しようという姿勢が強いことも、短期上達に大きく貢献しています。
さらに、受講生の質が極めて高いことも留意すべき点です。所属企業から語学に投資することを認められた、言わばエリートであることに加え、20代から30代の若い世代の方が中心。語学研修中は学習時間をしっかりと確保でき、総じてモチベーションも高い、という語学の習得に最適な条件を兼ね揃えています。
与えられた環境、条件、資質にもよりますが、取り組み方次第では初級ビジネスレベルに達する時間を大きく短縮することが可能と言えましょう。
-------------------------------------------------
スペイン語をビジネスレベルで
言葉を実際に使いこなすには実践的な学習、練習が必要です。
ソシエダ・インテルクルトゥラルは、メキシコで25年間にわたり、ビジネスパーソンを対象にスペイン語のレッスンを提供してまいりました。
受講生の皆様はビジネスの最前線で活躍されています。
ぜひお気軽にご相談ください。
Commentaires