スペイン語がわからないのは自分のせい?

最終更新: 3月18日


スペイン語を学び始めて間もない方は、相手の話しているスペイン語がわからないのはすべて自分のせいだと思っていないでしょうか。結論から言うと必ずしも自分のせいばかりではないと思います。


私もスペイン語に自信がない頃(今あるかというとそうでもありませんが)、相手の話すスペイン語がわからない場面に遭遇するたびに、ああ、スペイン語の壁は厚いなあ、とガックリきていたものです。しかし、ある程度スペイン語が理解できる頃になると、わかりやすいスペイン語を話す人とそうでない人がいるかことがはっきりしてきました。


通訳をしていた時の経験から、当地メキシコでは(おそらく他の多くの国でも)教養や社会的地位が高ければ高い方ほど、明確でわかりやすい言葉を話す傾向が強いと言えます。こういう方々は話し相手、そして通訳がどの範囲の知識を持っているかをわきまえて話し、筋もしっかり通っているので通訳もしやすいのです。


逆に視野の狭い自分本位の話し方をする人の場合、話のつかみどころがなく通訳は困難です。それを通訳できる達人もいますが私にはできませんでした。


話の内容を理解するのは聞き手の責任である日本と違い、欧米では一般に話す側に内容を伝える責任があり、メキシコもこの流れを組んでいるように思います。したがって高い教育を受け、地位も高い人ほど、わかりやすいスペイン語を話します。言葉の明快さと教養、社会的地位には強い相関関係があります。


一方、日本人の場合、社内で地位が高い人でも意外に言葉が明確でない方がいます。これは以心伝心の文化の中で、言葉を介さない意思伝達に慣れてしまっていることも一因と思われますが、このタイプの方の通訳には非常に苦労します。共通の知識やバックボーンをもっていないとその方が話している文脈において何が主語で何が述語なのか判断に苦しみ、言わんとすることもわかりません。外国人の日本語学習者においては日本人の真意を汲み取ることは相当に難しいだろうと想像します。


少し話が逸れましたが、ここで言いたいことは、初心者は聞いているスペイン語がわからなくても必ずしも自分のせいではないので必要以上に気を落とすことはないということです。相手が正しいスペイン語を話しているとは限らず、また習慣や文化的な相違により言葉だけ理解しても言わんとすることがわからないこともあります。


これまで私は当地で仕事や生活の場面においてメキシコ人が日本人に様々な説明をしている場面に居合わせてきましたが、はたで聞いていてそんな説明でわかるわけないだろうという思いをしたことがしばしばあります。このような場合でも日本人はスペイン語が理解できないのは自分の能力が不足しているからと感じてしまうことが多いようです。謙虚なのはよいことなのですが自信をなくさなくてもよいのだと言ってあげたいです。

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