スペイン語に限らず、語学をマスターするための王道は果たしてあるのでしょうか。
私の場合、中学校から大学まで10年間勉強した英語はモノになりませんでした。一方、仕事をしながら25歳から時間を捻出して勉強し始めたスペイン語は、2年間で曲がりなりにも通訳として通用するレベルになり、実際通訳としてメキシコの日系自動車メーカーで働くことになりました。
違いは明らかです。英語の時は明確な目標がないまま、やらされ感で勉強をしていましたが、スペイン語の場合は、「海外(スペイン語圏)に渡って、文化事業分野で新たな人生を切り開きたい」という強い願望・夢がありました。決して特別な才能があったわけではありません。
語学をマスターする上で、何よりも重要なのはモチベーションであると確信しています。多少やり方はまずくても、モチベーションがあれば何とかなります。
しかし、それで全てを片付けてしまってはそこで終わってしまいますので、自分なりの語学学習観について少し書いて見たいと思います。
語学の学習に王道はないと思います。万人にベストな勉強法、万人にベストな教材は存在しません。それぞれが違った個性・能力を持っているので、その人に合った学び方があるはずだと思うのです。
アメリカの自己啓発作家アンソニー・ロビンズがその著作の中で、「人間は視覚型、聴覚型、体感覚型の3つのタイプに分けられる」と述べていました。これは、NLPと呼ばれる理論からくるものらしいのですが、語学学習にも当てはまるような気がします。
視覚型人間は図解的・分析的に、聴覚型人間は音読や聞くことを中心に、そして、体感覚型人間は、その場での臨場感を味わいながら学習することが効果的なように思えます。
私の場合は視覚型なので、スペイン語の複雑な時制は図にすると理解しやすく、しっくりきます。聴覚型や体感覚型の人にとっては、この方法はあまり響かないかもしれません。
街の語学学校では、「子供が言葉を覚えるように語学をマスターする」というようなキャッチフレーズが使われたりしますが、これにはずっと抵抗感を持ってきました。成人が語学をマスターするには文法は必要ということが私の持論だからです。
しかし、もしかするとこれは視覚型人間の特徴で、聴覚型や体感覚型の人であれば、ある程度可能なのかもしれません。ただし、成人してからは、母国語を介さないで外国語を学ぶダイレクトメソッドには限界がありそうです。
いずれにせよ、万人にベストな語学の勉強法はありません。
そのため、どうすればスペイン語をマスターできるかと問われれば、高いモチベーションを持って、自分にあった勉強法を見つけ、勉強し続けること、そして、どんどん使うことが最大公約数的な答えになると思います。
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