メキシコの日系企業では以下の声がよく聞かれます。
日本人の声
• メキシコ人に指示しても、指示が長続きしない。問題の本質を理解していないので、ほとぼりが冷めると忘れてしまう。
• 指示待ちが多く、自分で判断しようとしない。
• 全体感がわかってない。
• 信じられないような言い訳をする。
メキシコ人の声
• 日本人はメキシコ人のアイディアに耳を傾けない。
• 日本ではこうしているからということで通されてしまうが、必ずしもメキシコのやり方になじまない。
• フィードバックがない。しかしミスした時にはすぐに指摘される。一方、良い仕事をした時にねぎらいの言葉がない。
この中で、空気を読めていないことが問題につながっているケースが多いように思われます。
ではメキシコ人は空気を読まないのでしょうか。
結論から言うと、メキシコ人も空気は読みます。
メキシコ人同士のコミュニケーションでは、日本人ほどでないにしても、意外に暗黙の了解が存在します。ただし、文化の違う日本人にはわかりづらいものです。ちなみにスペイン語では暗黙の了解を意味するsobreentendido、直訳すると「過剰理解」という言葉があります。(ドンピシャの訳語は英語にはないようです。)
メキシコの役所の手続きなどでは、このことが分かっていないとなかなかスムーズにことが進みません。日本人通訳を連れて行っても、言葉だけでは通用しない場合もあります。そのような場合、メキシコ人にもついて来てもらった方がうまくいきます。
「異文化理解力」の著者エリン・メイヤー氏によると、日本人はハイコンテクスト文化(メッセージは行間で伝え、行間で受け取る)に属します。この対極にあるのがアメリカ人で、ローコンテクスト文化(メッセージは額面通りに伝え、額面通りに受け取る)に属します。
メキシコ人は、両極端な日本人とアメリカ人の中間(日本寄り)にいます。
メキシコ人も意外にハイコンテクストではありますが、ハイコンテクスト同士で文化が違う場合、余計に厄介だったりします。多文化環境では、ローコンテストなやり方で行くことが同著の中でも推奨されています。
つまり、当たり前と思われることでも曖昧にせず、しっかり確認しておくこということです。具体的には、納期などの重要な点はしっかり確認し、メキシコ人の言葉で説明させるなどして認識を一致させることが重要です。メキシコにおいて歴史の長い日系企業は、過去の経験から、その辺の仕組み作りはしっかりされています。
海外進出間もない企業においては、文化の違いにより問題が大きく発展する前に、専門家のアドバイスを受けておくことをお勧めします。
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