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メキシコ運転事情 − 快適なカーライフを

更新日:4月5日


皆さん、快適なカーライフ送られていますか?

 

今回はメキシコで既に運転されている方、またこれから運転される方のためにメキシコの運転事情のについてお話しをしたいと思います。

 

日本から来られたばかりの方に、よくメキシコで運転できますねと言われます。確かに当地では信じられないような運転を目にする機会も少なからず、そのような環境で運転することは至難の業に見えるかもしれません。


目次


1)運転マナー

2)道路事情

3)運転免許証(licencia de conducir)

4)車両保険(seguro de auto)

5)排ガス検査(verificación de gas)

6)ナビゲーションシステム

7)まとめ



1)運転マナー

 

運転のルールは一言で言って、「何でもあり」。急な車線変更、失礼な割り込み、渋滞でのクラクション、やりたい放題といった感じです。しかし、何事も慣れ、当地のドライバーの行動パターンを把握すればなんとかなります。


ただ、ひと昔前に比べたらマナーはかなり良くなったように思います。以前は車間距離を保とうとすると、必ず割り込みがあったものです。しかし、今ではその頻度は低くなってきています。そして、譲り合うことも多くなってきたように感じます。特に「いい」車に乗っている人たちは、心に余裕があるせいか、運転マナーはスマートです。

 

とは言え、日本での運転に慣れた方々の目には、やはり驚くようなこともまだまだあります。今でもタクシーの運転手、乗合バスの運転手のマナーは今ひとつ。また渋滞になったときのドライバーのイライラ感は爆発寸前に達し、時には爆発することも。

 

そして、不思議なことに、普段は落ち着いていて穏やかな人でも、車の運転となると豹変してアグレッシブに先を急ごうとする人が一定数います。だったら、時間に余裕を持って出ればいいのにと日本人は思いますが、なかなかそうならないのです。

 

2)道路事情

 

道路事情についても、一昔前に比べれば良くはなっているというものの、都市部のメインストリートや主要環状線などを除くと、穴ボコだらけの道は珍しくありません。ちゃんとした材料を使っていないせいか、雨が降ると穴が増えます。

 

また、メキシコの道路事情を語る上で欠かせないのがトペ(tope)の存在。トペとは車の速度を強制的に落とすための道路上の隆起で、スピードバンプのことです。日本ではショッピングセンターの駐車場など一部でしかみられませんが、メキシコでは都市、地方を問わず、いたる所にトペがあります。速度制限の標識のみでは効果はないということなのでしょう。

 

予期せず現れることも多く、また特に夜間は見えないこともよくあるので注意が必要です。筆者も油断していると、いまだにトペで車の腹を擦られます。トペのこと考えると、車高の低い車はメキシコの道路事情には適していません。

 

3)運転免許証(licencia de conducir)

 

メキシコでも免許取得のための筆記試験、実技試験らしきものはあります。しかし日本の厳格な試験とは異なり、至って簡単。したがってドライバーの腕は信用できず、街で運転しているドライバーは玉石混交。

 

外国人の場合は、州によって異なりますが、筆記試験も実技試験も免除されている場合が多く、600ペソから1000ペソ(7200円から9000円)ほど交通局に支払えば、免許が取得可能です。

 

ちなみにメキシコで取得した運転免許証は米国でも通用します。これも発行した州によって効力は違うようですが、メキシコシティのものであれば問題なく有効でしょう。

 

一方、日本で発行された国際免許証はメキシコでは通用しません。日本の国際免許証は、ジュネーブ交通条約の締結国でのみ有効であり、メキシコは同条約の締結国に含まれていないためです。

 

ただ、ありがたいことにメキシコの一部の州では、日本の免許証が有効。アグアスカリエンテス州では日本の免許証のみで、グアナファト州などでは免許証に翻訳証明を用意することで、車を運転することができます。


しかし、これらは一時的な措置で、いつ無効になるかわかりません。また、検問などの際に警察官が州のルールを把握しているとは限らず、日本の免許証だけでは問題になることも大いにあり得ます。したがってメキシコで運転する際は、現地の免許証を取得しておくべきでしょう。


今はなくなりましたが、かつてメキシコシティで永久免許証が発行されていた時期がありました。筆者は、機会を利用し、それまで持っていた期限付きの免許証を永久免許証に切り替えました。いつ廃止されるかわかりませんが、今のところ更新不要のありがたい免許証です。


また現在メキシコシティでは、免許証とともに通行証(tarjeta de circulación)の更新は3年ごととなっているので、失効する前に手続きをしておきましょう。



4)車両保険(seguro de auto)

 

街で運転しているドライバーの腕が信用できず、マナーも発展途上のメキシコにおいては、自分はちゃんと運転していても、事故を避けられない場合もあります。

 

メキシコの車の約半数が保険未加入と言われており、車をぶつけられた場合、自分の車両保険を使用せざるを得ないことも。大きな損害を被らないためにも保険は必須です。

 

事故を起こしてしまったら

 

不幸にも事故を起こしてしまった、または巻き込まれてしまった場合は、まず、その場で保険会社のajustador(調整員)を呼びます。ajustadorは事故を検証し、保険金支払いのために必要な手続きのサポートをしてくれます。自身の会社の総務で事故対応をしているなら、担当のメキシコ人に来てもらえれば心強いでしょう。やりとりは全てスペイン語なので通訳がいればなお安心です。


ただし、最近ではメキシコでも日本語で対応している保険会社もあります。筆者の契約してる保険会社の日本語サービスに試しにコールしてみたところ、ちゃんと日本語で対応してくれました。ちょっとクセのあるスペイン語訛りの日本語ですが、意思疎通に問題はありません。


事故で物損のみの場合は、警察官の立ち会いや警察官が作成する書類は保険請求上必要ないので、介入は避けた方が無難です。手間暇がかかるだけでなく、賄賂を要求される可能性もあるのです。メキシコでは警察官は必ずしも正義の味方ではありません。

 

また、軽い接触事故などで人身に影響がない場合、修理代が日本円で数万円程度であれば、保険会社の免責が適用され、全額または一部の額が自己負担となる可能性が高くなります。保険会社を通すと、修理期間が長くなったり、面倒な手続きも発生するので、ごく軽度の物理的損傷で、示談で済めば保険会社を通さないというのも一つの選択と思われます。

 

万が一、事故を起こしてしまった時は、落ち着きを保つことが重要です。

 

筆者は「外国で事故を起こしたら絶対に自分の非を認めたらいけない」などと吹聴されていたので、メキシコで運転をし始めた頃はちょっとした接触事故などでも、不利益を被ってはいけないと、ひどい腱膜で相手を責め立てたものです。しかし、経験を得てよく観察していくと、概ねメキシコ人は事故に遭っても意外に冷静です。

 

軽い衝突事故にあった時のこと。お互いの不注意が原因でしたが、筆者は完全な戦闘モードで事に臨みました。ところが「まあ、まあ、まあ。。。お互い怪我がなかったのだからよかったではないですか」と相手のメキシコ人。思いもよらず、なだめられていまいました。ああ、相手の方が大人だ。。。


5)排ガス検査(verificación de gas)

 

メキシコには日本の車検のような制度はありませんが、メキシコシティはじめ都市圏では年2回排気ガス検査が義務付けられています。新車の場合は、通常、購入時ディーラーが排ガス検査を受け、その後、2年間免除されます。

 

排気ガス検査の結果や年式により通行が制限され、週1回または2回、車を運転することができなくなるので注意が必要です。新車であれば問題なく毎日走れますが、大気汚染が激しくなると制限が厳しくなることもあります。

 

年2回の検査期限は意外に早く到来し、注意していないと忘れてしまいがち。期限内に行わなかった場合、現在では約2,000ペソ(約18,000円)の罰金を払います。筆者も泣く泣く罰金を払った経験が何回かあります。

 

罰金と言えば、排ガス検査を受けるにあたって、強制的に罰金を払わせられることがあります。前回の排ガス点検時以降、街の監視カメラで撮られたスピード違反などが交通局に記録されており、その時点で通知はないのですが、排ガス検査の段で違反が発覚し、その罰金が払われていないと、検査が受けられないのです。

 

筆者も検査直前に交通違反の罰金を払わされたことが数回あります。中には運転していなかった日に違反をしていることになっていたケースも。また、時速50キロ制限の場所を時速55キロで走行していたという違反もありました。時速50キロ走行の車なんて一台もない場所での「違反」なのでのであまり納得のいくものではありませんが、払わざるを得ない状況に追い込まれます。理不尽ではありますが、払わないとことが先に進みません。事実を明らかにして問題を解決するために失うであろう膨大な時間と労力を、お金で買うといった感じです。

 

6)ナビゲーションシステム

 

ナビゲーションシステムはとても便利で、車についていなくてもスマートホンのものを利用可能。より短い時間で目的地に到着するルートが表示されます。


しかし治安の悪い地域を避けることは考慮されていないので、目的地に辿り着く上で、危険な場所がないかあらかじめ把握しておくとよいでしょう。またマップには現れても、完全に舗装されていない道や、車が通るには狭すぎる道もあるので、知らない場所に行くには、ナビゲーションシステムを過信せず、事前に情報を得ておくことをお奨めします。

 

7)まとめ

 

都市部においては公共の交通機関はある程度発達しているものの、メキシコは中間層以上にとって基本的に車社会です。生活スタイルにもよりますが、車がないと不便に思われるシーンは少なくありません。

 

本稿が、皆さんがメキシコで快適なカーライフを送る上での参考となりましたら幸いです。

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